とらふぐを無毒化する陸上養殖と天然の違いを紹介します
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とらふぐを無毒化する陸上養殖と天然の違いを紹介します

2018.05.10
とらふぐは海以外でも養殖されているのを知っていますか?

養殖といえば海に網の生簀を浮かべそこで養殖する海面養殖という方法が有名。ですがそれとは別に陸上養殖という方法があります。

陸上養殖は、文字通り海ではなく陸の上で養殖する方法です。

とらふぐは猛毒で知られる魚。その毒の威力は青酸カリの1000倍といわれ、ほんの少し口に入れただけで最悪の場合死んでしまう可能性も。ですが、陸上養殖で育てることで無毒の状態にすることができます。

このページではとらふぐの養殖の歴史や天然との違い、更にとらふぐを養殖する2つの方法と無毒化が可能な理由を紹介します。

とらふぐの養殖の始まりと生産量

とらふぐが初めて成功した年と日本一の生産地
出典:https://www.fugu-sakai.com/magazine/learn/3345/
とらふぐの養殖が初めて成功したのは、1977年(昭和52年)です。それ以来、とらふぐの養殖は増えていき、今では全国で1年間に約4000トン(平成27年)ものとらふぐが養殖されています。

養殖とらふぐを日本一生産しているのは長崎県。その次に熊本県、香川県と続きます。

天然のとらふぐの漁獲量が100トン程度(平成17年)。こういった内容からも、養殖のとらふぐがかなり増えたことがわかります。

生産量がここまで増えた養殖のとらふぐですが貴重で高価な天然のとらふぐの方が美味しいと思っている方が多いのではないでしょうか。

ひと昔前までは養殖は天然には勝てないと言われていました。ですが、今では一概にそう言えません。むしろ、養殖の方がおいしいという方もいらっしゃいます。

ここからその理由も含めて海面養殖についてご紹介します。

海面養殖とは

海面養殖
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/doion_sekai/20123163.html
ここから海面養殖についてご紹介します。

海面養殖とは、海岸などの比較的海面が静かなところに網などで生簀を作り、その中で養殖する方法です。一般的に養殖と言われると海面養殖を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

養殖にあまり良いイメージを持っていない方も多いですが、養殖の評価は上がっています。ポイントは品質の安定性です。

天然のとらふぐは自然の中で餌を見つけ、それを食べて成長します。ですが、食べる餌の種類や量には個体差があり、大きさや味に差が出ることも。

それに対して養殖は、成長の度合いが同じとらふぐを同じ生簀に入れ、同じ餌を同じ量与えています。そのため、個体差が出づらく、品質が安定しているのが特徴です。

ひと昔前は養殖したものは美味しくないと言われることもありました。ですが、現在では与える餌や飼育環境などの研究が進み、高い品質のとらふぐが多く提供されています。

また、天然のものに比べ漁獲量が安定しているため、比較的リーズナブルな価格で流通しているのも特徴の1つです。

ここまで海面養殖についてお話ししました。ですが、それでもやはり天然のとらふぐの方が美味しいのではと思っている方も多いのではないでしょうか。

海面養殖は、比較的流れの穏やかな場所で行われることが多いため、魚の運動量が少なくなる傾向があります。運動量が少ないと身の歯ごたえが出づらくなるため、ふぐのぷりぷりとした歯ごたえを好む方は天然の方が良いという方もいらっしゃいます。

実は同じ養殖でも天然と変わらないぷりぷりの歯ごたえ、旨味の強い味を再現する「陸上養殖」という方法があります。次の章ではそんな陸上養殖についてご紹介します。

陸上養殖とは

陸上養殖
出典:http://www.shokokai.or.jp/43/435211S0004/btob.htm

陸上養殖とは文字通り陸上で行う養殖の方法です。

水槽やプールなどを陸上に設置し、その中で養殖します。海面養殖に比べ、施設の建設や管理にコストがかかってしまいますが、飼育環境を自由に作ることが可能です。それにより、天然のとらふぐの育つ環境に限りなく近い飼育環境を作ることができます。

先ほどお話しした運動量についても、水槽内に水流を作ることでとらふぐの水の流れに逆らって泳ぐ習性を利用することで解決。それにより、天然のとらふぐと変わらないぷりぷりの食感を再現しています。

また、とらふぐを育てる水槽を屋内に設置することで、天候の影響を受けません。そのため、海面養殖以上に安定した漁獲量を確保することができます。

ここまで陸上養殖が天然と変わらない品質を可能にする理由を解説しました。ですがそれ以外に、陸上養殖は天然のとらふぐではあり得ないことを可能にします。それはとらふぐの無毒化です。

無毒化する理由

トラフグのてっさ(刺身)
出典:https://4travel.jp/travelogue/10727090

とらふぐは猛毒で知られる魚。その毒の威力は青酸カリの1000倍といわれ、ほんの少し口に入れただけで最悪の場合死んでしまう危険性があります。そのため、免許を持っている人でないと加工してはいけないことになっています。

それほど危険なふぐの毒ですが、陸上養殖で育てることでとらふぐは無毒の状態にすることができます。

実はとらふぐはもともと毒を持っていない魚です。とらふぐの毒は餌である貝やヒトデが持っている毒がふぐの体に蓄積したもの。そのため、ふぐの餌を毒が含まれていないものに変えることで、ふぐの体に毒が蓄積せず、毒を持っていないとらふぐになります。

海面養殖の場合、餌を毒の含まれていないものにすることはできますが、網の隙間から毒を持った餌が入り込んでしまう可能性があります。陸上養殖の場合、水槽で飼育しているため毒の含まれる餌から隔離することが可能です。

そのため、陸上養殖のとらふぐは完全な無毒にすることができます。

まとめ

今回はとらふぐの養殖方法と無毒のとらふぐについてお話ししました。

とらふぐの養殖方法は海面養殖と陸上養殖の2つ。陸上養殖は天然のとらふぐの環境に限りなく近い環境で育てられ、その人気が高まっています。

貴重な天然のとらふぐももちろん美味しいですが、本当に美味しい養殖のとらふぐを食べてみてはいかがですか。 >>陸上養殖で育てられたこだわりのとらふぐを知りたい方はこちら

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